春だ!おしゃれだ!散髪だ!
そう思ったのは、バイトのランチタイムのピーク中だった。
友人たちに「伸ばせ伸ばせ」と唆された僕の髪。
僕の自慢のワカメヘアたちは手入れされないことに我慢できなくなったらしい。
僕としても邪魔でしかたなかった。
バイトの終わった後で、ついに2か月切っていなかった髪に
はさみを入れようと美容院へ向かった。
あぁ、仲良しがいてよかったと思った。
写真の主、T君は僕の大学随一のおしゃれ。
何度かスナップされている。
そんな彼に甘えてみた。
「ねぇ、どんな髪型にすべき?」
僕の意向は、爽やかでモテそうな感じ。
T君は独特のこだわりがあって女子からモテまくっているので
きっと役に立つと思った。
が。
返ってきた答えは、想像を絶するものだった。
「あゆには限界がある。」
髪型を聞いただけなのに。
心の中の「モテたい」を見透かされたような発言。
僕の心はざわついた・・。
まぁ、歯にきぬ発言が彼の良いところなので今更傷つかない。
「てめー彼女いねぇだろ」
と心の中であっかんべーをして再度尋ねると、
「刈り上げるべき」
と答えてくれた。
僕の中の「刈り上げる」のイメージはこんな感じ・・。
短髪は確かに好ましいと思って、僕は本屋へ。
いろいろな雑誌を見て、研究。
何十人もの髪型を見ていると、
「お、こりゃいいや!!」
と心揺さぶる短髪ヘアが見つかった。
それを保存して僕は、ルンルン気分で髪を切りに行った。
ばっちこい青春。
待ってろ、今まで俺を馬鹿にしたやつら!!
そう思いながら。
鮎川的理想ヘアとは?
そして結果は?
どうなる次号!