「上野」
「上野で飲むからさ、来てよ!」
時計を見ると19時を少し過ぎていた。
僕は、母への誕生日プレゼントを地元の無印良品で選んでいたところだった。
それに加えて、次の日は朝早くからインターンシップだ。
何もかもが
「断るべき」
状況だった。けど、僕は「行くよ」と言った。
日曜9時、アメ横で話したエトセトラ
僕は上野が好きだ。
アメ横のごった返した感じ、東京芸術大学のたじろがない凛とした涼しい感じ。
そのはざまに立っている自分が少し大人に感じるからだ。
浜ちゃんに行くと、既に飲み始めている三人がいた。
挨拶手短に席を取る。本当に久しぶりに感じた。
でも感慨に浸るより先に生を頼み喉を潤す。
最高だ。
このために長い間電車に揺られて東京の端まで来たってもんだ。
友達の彼氏のこと、ゼミの空気間の事、失恋した人の事...。
いろいろ話した。
ほどよい時間と、絶えない話題と笑顔で最高の雰囲気。
アメ横に吹く温い風さえも心地よく消えた。
幸せとは
この日曜日、なにごともなく過ぎるはずだった。
ところが最高に楽しい日曜日になった。
お酒を飲んだから?いい友達といたから?
なんでもいい。
幸せだったことには変わりない。
幸せであるとき、人は理由を探らない。
浮かれて、ニヤついて時には出た杭になって叩かれて。
沈んだ時、人は必死に原因を探る。誰かを責める。
僕も含めてそうだけど、身勝手だ。
21歳。法の下では大人だけど、子供みたいだ。
”友達”ってなんだ
飲んだ友達の一人が来月、年を取る。
「祝うわ!」
みたいな話になった。ゼミ同じだし、友達意識が僕にはあった。
でも、
「誕生日祝うことが友達の証じゃないよ!!」
って何かを見透かされたことをまんまる顔の友人に言われた。
目が鋭かった。僕は、はっとした。
「じゃあ友達って何?」考えるより先に聞いていた。
答えは返ってこなかった。
「このホッケ美味しいよ!鮎川も食べてみ!!」
答えの代わりに僕の元にやってきたのは、焼き立てのほっけ。
なんでもいいや!
って思えるくらいに美味しかった。
結局どっかにいった質問だけど、
丸顔さんが言った言葉がどこか胸に刺さる。
何だろうこの感じ...。
人によって答えは違うんだろうけど、僕は何度かブログに書いた気もするんだけれども、
「友達」が何者か、
まだわからないみたいだ。
分かるまで何度だって飲みたい。
そう思った上野の熱帯夜だった。
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