カラオケ原曲キーと僕
「男はガサツなくらいがちょうどいい」
なんて世論がある。
高倉健さん。
日本一渋い男前だった。
そんな健さんが、
プライベートで細かいことを気にしただろうか?
そんなわけはない。(仮定)
無口だったと聞いているが、
いざというときは大らかできっぱりしたお人だったのではないか?
僕は、細かいことを気にしてしまう。
母親譲りの心配性だ。
母親譲りの心配性だ。
夏目漱石の小説の主人公は、
「親譲りの無鉄砲」
そっちの方がうらやましい。
僕は母親に向いている気がする。
「あれ?ハンカチもった?」
「交通費、チャージした?」
なんてこと、口酸っぱく聞けるからだ。
うるさいけど、こういうことを無視している子は、
馬鹿を見る。
そんな僕がカラオケに先日行った。
お相手はA君(仮)
初めて一緒に行く人だった。
フリータイム、熱唱した。
邦ロックからバラードまで歌い切った。
A君も同様。
すっきりした顔をしていた。
が、僕は痛む喉と裏腹に
すっきりはしなかった。
カラオケ屋の店員のマナーはすこぶる好感が持てた。
A君も二人でカラオケにいて苦にならない話し方、ノリだった。
お互い歌唱力は伸びしろがまだある←
状態だった。
ただ、一つ。
心のつっかえ。それは、
なぜ、原曲キーで歌わない!?
これだ。
いや、カラオケなんぞ
気持ちよく、好きに歌うところだと
僕は承知している。
それでも、なぜだか
そそくさ曲開始時に、機械をいじって
キーを上げ下げするその様。
妙に歯がゆい。
あ~、もう歌いだし無視やん・・。
僕はついにそれを言い出せなかった。
細かいくせに踏ん切りはつかない男だ。
世論はこの僕の行為をどうとらえるのだろう?
大多数が敵に回るだろうか。
いずれにしても思うのは、
僕のちんけなプライドなんてのは、
誰にとってもどうでもいい
ということだ。
びっぐになりてえええええええ